入院二十二日目 父からのメッセージ

今日も父とは会えなかったが、父からのメッセージが、私たちが前に送った封筒に書かれてきた。 〇〇の家に行ってご飯を食べよう。うまくするとNHK朝ドラ「エール」が見られるかもしれない。〇子（私の名前）に車　無理　 〇〇（母の名前）へ　妻 と書いてあった。 朝と無と車の字は、一部が書かれていない不完全な文字だった。（〇の字の中はちゃんとした漢字が書かれている。）あとは、エールの括弧まで丁寧に父らしい几帳面さで書かれていた。 私の運転する車に乗って家に帰ってご飯食べて、再放送のエールも見られるかもしれないけど無理だろうな。という意味か。 父が脳梗塞の上に大動脈解離になって悲嘆にくれて居ると思っていたから、意外とのんきそうな文面に安心した。 神経質な父にとって、自分の大動脈が解離したままの状態で生活していくというのは、どれだけの苦痛だろうかと心配していたのだ。良かった。でも、家に帰りたがっているのは胸が痛む。

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